中国・蘇州に位置する呉江は、絹産業の最前線に立ち、悠久な時代背景、高度な製造能力、そして統合された供給体制により世界に知られ、絹製品のグローバルサプライチェーンに重要な役割を果たしています。
呉江は、肥沃な土壌と茂る桑の木に恵まれる長江デルタ地域の中心部に位置し、養蚕に最適な環境を備えています。こうした自然条件が、中国古代より発端した絹産業の繁栄の礎を築いてきました。
呉江には、養蚕・製糸から、製織、染色、印刷、製品仕上げに至るまで、絹生産の全工程が一体となった統合型の供給体制が整っています。さらにこの地域では、織機の自動化、環境に優しい染色技術、デジタルプリントなどの技術革新にも、積極的な投資が行われています。
古代シルクロードの要所として栄えた呉江は、卓越した職人技と高品質な絹製品でかつてから名を馳せてきました。現代呉江は、先端技術を積極的に取り入れつつも、伝統職人技の継承にも努めており、まさに現代絹産業をけん引する存在でありながら、絹文化の「生きた博物館」でもあります。